私たちの経験則によって導き出された真理は、私たちに「成功の方程式を追い求めるのではなく、失敗の方程式を追求せよ」と語りかけているように思われます。
本書においては、どのようにすればIT組織が潰れるのかという視点に立って我々の失敗の本質を明らかにしていきたいと思います。
その本質が分かれば、幾百幾千の成功の指南書を追いかけることに無益な労を費やすことなく、失敗の方程式が示すところの失敗のパターンを回避することが逆に現実的な成功の実りを 獲得できる有効な方法になるものと思われます。
カイゼン活動にも手がつかない、ましてやPMBOKもCMMIも遠い世界のこと。日々の仕事に追われ火の粉
を振り払うだけで精一杯。全ての原因は自分たちの能力のなさにあると思い込んでいるプロマネ・リーダー・開発者の
方々が多くいることだと思います。そのようなみなさんに自分たちの現在の姿を本文と対比しながら冷静な目で見つめ
ることで、何らかの新たな突破口が見つかるのではないかと思います。
多重請負構造が私たちの組織にどれ程重大な悪影響を及ぼしているのか、下記の順に見て
みたいと思います。
1. 外部委託と丸投げ
2. 丸投げは破滅地獄への一里塚
3. なぜ丸投げをするのか
4. 丸投げによる事件・事故
5. 産業界における丸投げの実態
6. 丸投げからの脱却
太平洋戦争後の日本の組織の変遷と、これからそうありたいと願う組織の形を追ってみま
した。
1. 戦後の日本の組織
2. 組織衰亡の原因
3. 日本の組織
4. 日本の組織のこれからの方向性
第1章においては、組織における死に至る病とも言える「丸投げ」行為がもたらす災禍およびその対策につ
いて取り上げます。第2章おいては、日本における伝統的かつ独特の組織構造のありかたに着目し、その
原点である「タテ」組織の成り立ちについて論考しました。第3章においては、現在の日本の組織の今まさ
に深層崩壊とも言える状況に関して、その原因を探ってみました。第4章においては、そのような深層崩壊
的な状況にある日本の組織において今後何ができるのかについて、再生の道を探りました。
『譲れば栄える 循環再生の法則』 ~尊徳仕法に学ぶ人間と組織の再生法
第1章 本当の危機とは ~その時代背景
第2章 共同体衰亡の原因
第3章 共同体再生の要点
第4章 尊徳仕法の原理
第5章 尊徳仕法の原則
第6章 循環再生の法則