アジャイル


ソフトウェア開発における2大潮流としてウォーターフォールとアジャイルがありますが、アジャイルソフトウェア開発宣言にある4つの価値と12の原則は、ウォーターフォールにおいても実行されなければならないものでしょう。いずれにしても顧客やプロジェクトチーム内での密接なコミュニケーションができない組織においては二つの方式のいずれにおいても成功をおさめることは困難でしょう。


セブンイレブンのビジネスコンセプトとアジャイルのコンセプトを比較分析しました。下記テーマ名をクリックしてください。


▶セブンイレブンのビジネスとアジャイル 

セブンイレブンは「仮説と検証」の実行者として広く知られた日本の小売業を代表する超優良企業です。彼らのビジネスコンセプトは、次のようです。

 「過去のデータは未来を予測しないし、未来は誰にも予測できない」よって、「現在、日々目の前で起きている現実を直視し、その要求に沿うように、毎日『仮説』を立て、その『仮説』にそって毎日行動し、その結果を毎日『検証』し、その結果、『仮説』を修正し、次の行動にむすびつけるサイクルを全員で繰り返すことで、俊敏に現実の顧客の要求に沿った行動を連続かつ長年に渡って継続することにより環境の変化にリアルタイムに対応する」。

 これらのセブンイレブンの基本的な思考・行動指針はソフトウェア開発にとっても有効な手法を提供するものであると直観されます。 セブンイレブンのビジネス手法は『即時変化対応型』ビジネスであると言え、同様に『即時変化対応型』であるアジャイル開発手法との強い類似性・相関関係が感じられます。 


アジャイルソフトウェア開発宣言の内容は次のとおりです。

アジャイルソフトウェア開発宣言:4つの価値と12の原則

 我々は、ソフトウェアの開発の実行により、そしてまた他の人々がそれを実行するのを援助することによりソフ

 トウェア開発のよりよい方法を明らかにしていこうとしている。

 この活動を通して、我々は次に示した価値に至った。

 

【4つの価値】

価値1.プロセスやツールよりも個人とその相互作用

価値2.包括的なドキュメンテーションより動作するソフトウェア

価値3.契約交渉よりも顧客との協調

価値4.計画に従うことよりも変化への対応

左記の項目における価値を認めつつも、右記の項目に更なる価値を認めるものである。

 

【12の原則】

原則1.アジャイルの最優先事項は顧客を満足させることであり、これは価値あるソフトウェアの早期かつ継続した提供を通して実現される。

原則2.要求変更を歓迎する。たとえそれが開発の後期であったとしても。アジャイルは顧客の競争力を高めるために日々の変化に対応する。

原則3.動作するソフトウェアを数週間から数ヶ月の単位で、より短い時間軸にて繰り返しリリースする。

原則4.ビジネス側の人々と開発者たちはプロジェクトを通じて毎日共に作業しなければならない。

原則5.意欲のある人々でプロジェクトを構築する。彼らが必要とする環境とサポートを与え、そして仕事

が完了するまで彼らを信頼する。

原則6.開発チームに対してあるいは開発チーム内において最も効率的かつ効果的な情報の伝達方法

はフェイス・トゥ・フェイスの会話である。

原則7.動作するソフトウェアが、進捗を測る最も重要な尺度である。

原則8.アジャイルプロセスは持続的な開発を促進する。スポンサー、開発者、そしてユーザはたえず一定のペースが維持できるようにしなければならない。

原則9.技術的な優位性および良好な設計に対する継続的に払われる注意は俊敏さを増強する。

原則10.単純化、すなわち不要な仕事量の削減の最大化の技術こそが、アジャイルの本質である。

原則11.最良のアーキテクチャ・要求・設計は自己組織化チームから生まれる。

原則12.アジャイルチームは定期的に、より効果的な方法につき振り返りを行い、それに従ってその行動を変更し調節していく。